医療についてMedical Examination

まずは受診を

認知症はどうせ治らないから医療機関にかかっても仕方ないという考えは間違いです。認知症は早期に発見すれば、治療によって進行を 遅らせることや、症状を軽くすることができる場合もあります。 また、病気のことが理解できる時点で受診し、認知症についての理解を深めておけば、本人や家族が生活上の障がいを軽減でき、その後の トラブルを減らすことも可能です。

治る病気や一時的な症状の場合があります

正常圧水頭症、脳腫瘍、慢性硬膜下血腫などによる認知症の場合は、脳外科的な処置で劇的に良くなる場合もあります。甲状腺ホルモンの異常の場合は、内科的な治療で良くなります。また、薬の不適切な使用が原因で認知症のような症状が出る場合もあり、早期受診、早期治療を受けることが大切です。

どんな医療機関にかかればいいの?

認知症は初期であるほど診断が難しいので、適切な治療を受けるためには専門医にかかることが理想です。認知症の診断は、精神科や神経内科、脳神経外科などの診療科で受けられます。「もの忘れ外来」や「認知症外来」を行っている医療機関もあるので、本人の受診が難しい場合は、まずは家族の方だけでも相談してみましょう。

専門医にかかるのが不安なときは

いきなり専門医にかかることに抵抗がある場合は、まず、普段の状況をよく知っている「かかりつけ医」(6ページ)に相談してみましょう。 また、地域の高齢者についての総合相談窓口である「地域包括支援センター」(8~9ページ)に相談してみるのもいいでしょう。

かかりつけ医・認知症サポート医・とちぎオレンジドクター

かかりつけ医

日ごろから受診している「かかりつけ医」は、本人の身体状態や病歴、普段の様子を把握している身近な相談窓口です。必要があれば、かかりつけ医が専門医に紹介をします。

認知症サポート医、とちぎオレンジドクター

「認知症サポート医」は、独立行政法人国立長寿医療研究センターが行う認知症サポート医養成研修を修了し、「かかりつけ医」への助言等の支援を行うとともに、専門医療機関や地域包括支援センター等との連携役となる医師です。
また、栃木県では、認知症サポート医などのもの忘れや認知症の相談ができる医師を「とちぎオレンジドクター」として認定しています。「とちぎオレンジドクター」が在籍する医療機関には、認定プレートが院内などに掲示されています。
なお、「認知症サポート医」及び「とちぎオレンジドクター」については、栃木県のホームページで確認することができます。
〔お問い合わせ〕栃木県高齢対策課 028-623-3148

認知症サポート医(栃木県公式HP) オレンジドクター(栃木県公式HP)

認知症疾患医療センター

「認知症疾患医療センター」は、都道府県や政令指定都市が指定する病院に設置するもので、認知症疾患における鑑別診断、地域における医療機関等の紹介、行動・心理症状への対応についての相談や、もの忘れ等の自覚症状がある高齢者に関する相談や支援などを行う医療機関です。

認知症疾患医療センター