認知症になる可能性は誰にでもあります。特に高齢期は80歳代後半であれば男性の35%、女性の44%、95歳を過ぎると男性の51%、女性の84%が認知症であることが明らかにされています。認知症が「気になる」場合は早めにかかりつけ医に相談しておくのが良いでしょう。一部の認知症は、慢性硬膜外血腫や水頭症の治療、お薬の変更などによって改善する可能性があることも理解しておくべきです。 以下では、ご自身の認知症が気になる場合を想定して回答します。
もし、ご自身のもの忘れが気になり始めたら、迷わずかかりつけ医に相談してください。自ら専門の医療機関を調べて受診する必要はありません。必要な場合にはかかりつけ医から専門医療機関に紹介してもらう事ができます。
医療機関で相談する際、認知症と診断された場合の人生設計、仕事、お金、家庭、住まい、車の運転など、様々なことに不安を感じるかもしれませんし、不安になると受診を躊躇する気持ちも沸いてくるかもしれません。しかし、このような場合でも思い切って早めに相談しておくことをお勧めします。認知症は早めに対応しておくことによって生活上の課題を小さくすることができるためです。
早めに周囲の理解者に相談することにより、認知症と診断された場合でも生活上の支援や配慮を受けることができます。反対に無理に隠そうとすると生活上の課題が大きくなり、不安や孤立感を強める場合があります。
宇都宮市には25ヵ所の地域包括支援センターがあり、市民の皆様の相談を受け付けています。また、認知症サロン(オレンジサロン)が市内に4ヵ所あり相談に応じています。そのほか、認知症の人と家族の会栃木県支部、宇都宮介護者の会(ゆりかご会)も認知症が心配になった際の相談に応じています。
認知症と診断されたら介護保険サービスや成年後見制度を活用することができます。まだ認知症と診断されない場合は任意後見制度により備えておく方法もあります。
認知症ケアパスでは、ご本人・ご家族などに活用して頂けるサービスや社会資源をご紹介しています。